連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第10 回 「日本論・日本人論」 惑わされないための3つのポイント
世界でビジネスをすれば、日本人だからこそ抱く違和感を自覚させられることがしばしばあるだろう。その違和感を解消し、腹落ちさせる助けとなるのが、日本および日本人の特徴を理解していることである。今回は、総合学ともいえる日本論・日本人論に向き合う3つの着眼点と入門書を紹介する。
世界との接点で気づく日本の独自性
「アメリカでセミナーをしたら、質問がたくさん出るのが当たり前。対して、日本でセミナーをするとその場では質問は出ない。後から個別に来る。この違いに慣れるのに苦労したよ」と、ある英国人社長が話してくれたことがあります。
この話のようにビジネスの前線で世界と接する皆さんは、日本および日本人は世界の他の国と違う独自の個性を持っていることを認識する場面を経験することが多いでしょう。その時に感じた違和感を自分の中で整理しなければ、仕事を前に進めることができないでしょうし、自身が日本の独自性をしっかり理解できていなければ海外の人の主張をそのまま受け入れたり、違和感をごまかしてやり過ごすしかなくなってしまいます。