Case Column 人に必要とされる会社をつくる 月曜日が楽しみな会社
クリーム剤、軟膏剤など外用薬専門の受託メーカーである万協製薬。2009年に日本経営品質賞を受賞した同社は、社員を大切にする会社としても知られている。ここでは、代表取締役社長の松浦信男氏の経営哲学と、社員のモチベーションを高める仕組みを紹介する。
必要とされる会社をつくる
1995年1月17日、当時神戸市長田区にあった万協製薬は阪神淡路大震災の直撃を受けた。工場は全壊し、社屋も1階部分が全て潰れてしまった。だが、片づける松浦信男氏を手伝ってくれる社員は誰一人おらず、唯一の取引先からも見放されることになる。万協製薬の再興が望まれていないことを知った松浦氏は、打ちのめされる中、「万協製薬を社員と社会から必要とされる会社にする」と心に誓う。
それを実現するために、松浦氏は社員を一番大切にすると決めた。どんなに素晴らしい会社でも、顧客がいなければ存続できない。そしてその大切な顧客と接するのが、社員だ。それならば、社員が充実感を感じ、毎日通いたくなる職場をつくろう──こうして、始まった松浦氏の挑戦だが、今では、「月曜日が楽しみ」と社員にいわれるまでになった。その秘密を紹介する。