CASE.2 コクヨ 環境で変わる行動と意識 コミュニケーションの仕掛けが満載 “受容する力”のあるオフィス
ワーカーにとってほとんどの時間を費やすことになるオフィス。そのあり方を変えることによって社員の働き方を変えようとしているのが、オフィス家具・文具の国内大手メーカーのコクヨだ。同社が実験オフィスと位置づける「エコライブオフィス品川」のユニークな取り組みが注目を集めている。
エコ+クリエイティブな空間
「さすがに今日はガーデンワークをしている人はいませんね」
3月初旬。今年の東京は春が遅く、肌寒い日が続く。コクヨ・ワークサイトラボの齋藤敦子所長に案内され、同社の「エコライブオフィス品川」を訪ねた。窓の外に広がるのは仕事をするための“庭”だ。緑に囲まれた屋外空間にはテーブルやベンチが置かれ、中央部には噴水もある。季節のいい時期、暖かい日差しや風を感じながら働くのはさぞ心地いいに違いない。
2008年、コクヨはショールーム棟の5階を改装し、室内オフィスの他、屋外にもオフィス空間をつくった。改装時、テーマとしたのが「エコ+クリエイティブ」。齋藤氏は「エコは時代の要請であり、CO₂排出削減は企業の社会的責任」と語る。とはいえコクヨは単に“地球に優しいオフィス”をつくりたかったわけではない。めざしたのは、エコでありながら、今まで以上にクリエイティブで生産性の高いオフィスだ。