連載 ID designer Yoshikoが行く第65回 大空に輝くのはヒコーキと組織の希望
いやはや、何がいったい、そんな楽しいのか?!
「頭の真上をB6が飛ぶとコーフンするよぅ~」「南国の風を運んできたのはハワイア~ン」「UPSがKIXに向かっている。そろそろ会社に行かねばっっ!」
とまぁ、まるで瞳に星が「キラッ」と輝くようなテンション。これが飛行機の話だとわかるまで、しばらく時間のかかった私である。そうわかってもなお、何がそんなに面白いのか、よくわからなかった私である。
なんでも、朝起きるとまずベランダに出て空を仰ぎ、車に乗る前にも空を見渡し、車を降りるとすぐ空を見上げ、仕事が終わって会社を出たら心ゆくまでのけぞって歩く。
そして、大空の彼方から飛んでくる飛行機をキャッチするや、「ほほぅ、このへんからやって来て、このへんでぐるぅ~っと、ふむふむ~」と呟きつつカメラを構え、その雄姿を「ゲッチュ!」するのが生きがい。とにかく大きな空が大好きで、その空を飛ぶ飛行機を眺めるのが幸せな人なのである。
これが飛行機ヲタクの男性とか、CA憧れ~の女子学生なら、納得かもしれない。しかし、このハイテンションの主は、徳島を代表する企業「日亜化学」で、海外物流業務をクールにこなす仕事人、「徳島の空ガール」こと大和佳子さんなのである。
得意の英語力を生かし、国際物流業務一筋にキャリアを重ねて10年余り。聞けば初めて物流の世界に飛びこんだ時、女性の先輩からコンテナ船の魅力を叩き込まれたのがきっかけ。業務の変化に合わせて、海ガールから空ガールに華麗にシフトしたという。
眼鏡の奥のキリッとした視線からは想像しにくいが、飛行機を「この子♡」といとおしそうに呼び、デスクの上にはANAのB787モデルがさりげなく置かれている。引き出しを開けるとMOL(商船三井)/KL(川崎汽船)/NYK(日本郵船)のコンテナトレーラーのミニカーがズラーッ。業務用の飛行機や船の資料さえ、彼女にとっては思わず「ウホウホ!」したくなる宝物だとか。