TOPIC ② 2012年 SHRM第64回年次大会より見るHRの潮流 “全ては人に始まり、人に終わる” 戦略的ビジネスパートナーとしての人事
2012年6月24日~27日まで米国ジョージア州アトランタで開催されたSHRM(米国人材マネジメント協会)の年次大会。64回目を数える今大会は1万3000人が集う大規模な会となった。米国シルクロードテクノロジーの人事戦略責任者Tracy McCarthy氏が会を振り返りながら、HRの役割変化を語る。
モバイル対応が進んだ年次カンファレンス
SHRM(Society for HumanResource Management)は、世界140カ国、25万会員が所属する世界最大の人材マネジメント団体である。1948年に設立され、アメリカを中心に575の支部がある。SHRMでは、HRが専門家、メディア、政府、非営利団体、企業、アカデミックなどと連携しながら、人材マネジメントに関して革新的なソリューションを創造していくことをミッションとして、さまざまな取り組みを行っている。
そして、SHRM年次カンファレンスとは、人事関連のプロフェッショナルが集結する世界最大のカンファレンスだ。今年はジョージア州アトランタのワールド・コングレス・センターで、2012年6月24日から27日まで開催された。
会場には海外からの参加者1,000名、SHRM職員、関係者、ボランティア1,000名を含む1万3,000人の参加があり、大盛況であった。著名人による多数の基調講演と200以上ものセミナーが開催され、エキスポホールでは800以上の展示出展があった。
このような大規模なイベントでありながら、細部まで周到に準備されていたことは驚嘆に値するが、なかでも素晴らしかったのは、SHRMから提供された12ものモバイルのアプリケーションによって、開催された全てのセッションに指先ひとつで簡単にアクセスできたことである。
また、多数開催されたセッションは、テーマごとに人事コンピテンシーから最新の人事の傾向に分けられていた。たとえばグローバル人材マーケットにかかわる法務諸問題や文化的背景の重要性と、そのビジネスに及ぼす影響などである。
さらに人事プロフェッショナルのためのPHR、SPHR、GPHR※等の資格取得向けのコースも設定されていた。充実した内容の多岐にわたるコース設定は、選択が困難なほどだった。
今回は多くのセッションの中から、学術的な価値と、実ビジネスにおける人事への有用度、その両方の視点を持ち合わせ、かつグローバルな観点で話ができるスピーカーを選んで、話を聞いた。
※:PHR、SPHR、GPHR……全てSHRMが認定する人事プロフェッショナル資格。PHR(Professional in HR)、SPHR(SeniorP r o f e s s i o n a l i n H R )、G P H R( G l o b a lProfessional of HR)。
開催中に1万件以上のツイートを発信
私はSHRM年次カンファレンスに10年振りに参加したのだが、この10年間の変化は目を見張るものがあった。
最大の変化と鍵となる世界的な最新トレンドは、テクノロジーの進歩と情報伝達の加速度である。特記すべきは、人事関連コミュニティにおける“ソーシャル”のトレンドだ。この地球規模でのソーシャルトレンドは会場内どこを向いても顕著であった。