JMAM通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 コニシ
通信教育とアセスメントを活用して自律型人材を育成
接着剤の製造・販売および化学製品の販売を行うコニシ。ブランド名である『ボンド』は、トップブランドとして世の中に広く浸透している。
同社は2005年に通信教育とアセスメントを核とした教育体系を構築。自律型社員の育成に向けて着実に歩みを進めている同社の取り組みを紹介する。
人事制度・教育制度の抜本的見直しに着手
2005年、コニシは大きな改革を実施した。新人事制度の導入だ。
当時、それまで会社の発展を支えてきた団塊の世代の一斉退社(いわゆる2007年問題)を控え、若手人材の育成が大きな課題となっていた。また、2000年以降、他社との競争が激化し、生産拠点や販売先のグローバル化が進み始めたことも改革実施を後押しした。
まず『ビッグワンよりベストワン』という経営方針を改めて徹底し(この経営方針は、それ自体が商標登録されていることでも知られている)、安売りに通じる拡大路線を否定。“健全な利益を生む体質づくり”に、大きく舵を切っていった。
同時に人事制度についても、それまでの年功序列型の人事制度が見直された。社長室 人事部マネージャーの岡本氏は、当時の状況を次のように述べる。「若手育成、市場環境の変化、グローバル化といった課題が山積し、強い危機感を持っていました。そのため、人事制度を抜本的に変えていく必要があり、特に教育制度は他社以上のものをしっかりと構築したいと考えたのです」
こうした背景から等級制度、賃金制度が順次見直され、昇格要件として、通信教育とアセスメントが導入されたのである。
組織人として自律した人材を育む新しい教育体系
コニシが昇格要件として通信教育とアセスメントを導入した狙いは、次の通りだ。
①自己のビジョン(将来のありたい姿)を組織行動を通じて実現していける自律型人材(自分で考え、自分で行動する人材)を育成する
②自己の成長ステージをイメージさせ、役割等級に応じて自己の気づき・発見ができる機会を付与する
③役割等級ごとに求められる基礎的知識・基本的スキルを身につけ、仕事の実践に生かす