ID designer Yoshikoが行く 第74回 ASTDでキュレーションの醍醐味を味わう!
今年も来ましたASTD(米国人材開発機構)の季節!「まったく1年なんてあっという間ねぇ」と呟きながら向かった先は、カウボーイの王国「ビッグD」ことテキサス州のダラス。24オンスの巨大ステーキでしょ~♪、タックス・メックスでしょ~♪、とはち切れんばかりの期待に胸膨らませてやってきたが、ホテルのTVに映るのは、トルネードとIRSスキャンダル、そしてアンジェリーナ・ジョリーの乳がん予防手術の経過ばかり。気候も政治も芸能界も、なんとなくザワザワと落ち着かない5月の米国である。ザワザワしているのはTVの中だけではない。人材教育の世界もまた然り、である。というのは、こういうわけだ。その昔、といってもわずか10年前の話だが、ASTDなどの国際会議は「体力勝負」の場であった。まず受付でバッジとバッグとズシッと重いガイドブックを受け取る。セッションごとにプレゼン資料の束をゲットし、ブックコーナーでサイン本を買い漁る。腕力と脚力が頼りだった。しかし今年、バッグの中にあるのはタブレット端末ひとつ。300以上あるセミナーの情報も、300人以上いるスピーカーの情報も、資料も写真も、全部入れても600グラム。腰痛持ちにはありがたいことこの上なしである。ただし、ラクなことばかりではない。10年前は、会場の受付で「こんにちは!」してから、クロージング・スピーチが終わって「では、来年!」と手を振るまでの1週間を、気合いで乗り切る短距離走。つまり「会議は会議場で行われる期間限定の“イベント”」だった。