ID designer Yoshikoが行く 第75回 情報の海に溺れないためのキュレーション・スキル
さて、先月号では、今年のASTD国際会議にちょっぴり戸惑っていることを告白した。というのも、会議の数カ月前からネット会議が始まり、会議後3カ月を経てもなお、「続きはWebで!」とつぶやくコミュニケーションが続いているからだ。会議は続くよどこまでも?連日のつぶやきの熱さに、少々夏バテ気味の今日この頃である。中には、「これこそが最も新しい会議のスタイル、フリップド・カンファレンス(Flipped Conference=反転会議)である。今後は、会議に必要な情報のインプットはWebで、アウトプット(活用・応用)は会議場で、というスタイルがビジネスのスタンダードになるだろう。さぁ、続きはWebで!」というダメ押しのつぶやきさえある。確かにうまくいけばよいのだろうが、現実は厳しい。困ったことに、始終「ブツブツ……」とつぶやく習慣はネット上にとどまらず、リアルな会議をも浸食。ダラスのカンファレンスルームには、熱く語るスピーカーには目もくれず、手元のタブレット相手につぶやき続ける「発信オタク」の姿があちこちにあったのだ。なんでも、みんながコンテンツ(Content)をクリエイト(Create)してコメント(Comment)をつけ合うのに夢中なこの風景を、頭文字をとって「C&C&C」というそうだが、「シー、シー、シーッ!」って注意したくなる現象なのである。何かが、おかしい!?