特集 他者を思う心で組織を導く リーダーの人間力
未来が不確かな世界では、誰もが不安を感じる。その不安から、希望へと、視点を変えることがリーダーの役割である。リーダーの他者を思い、組織を思い、行動する姿を見た時、人の気持ちは変わる。リーダーの人間力とは、究極的には他者を思う、無私の心である。その心をどのように育むのかを本特集で探った。
はじめに「人間力に何を期待するのか」
「人間力を判断できる入試を」という下村博文文部科学大臣の発言が記憶に新しい。賛否両論あるだろうが、発言の背景にある「学力一辺倒ではない人間を育てたい」という思いに共感する人は多いのではないか。学力はもちろん大事だが、グローバル化や価値観の多様化が進み、さまざまな人と協働していかなければならない今、求められる能力は、一昔前よりも高度に複雑になってきている。