人事の職場拝見! 第33回 現場一体型人事が牽引する 視野を広げ当事者意識を高める実践教育
本当に必要な施策が見える兼任人事が生むメリット
ポーラ・オルビスグループで化粧品の製造販売を行うpdc。従業員数は約60人、間接部門のスタッフ自体も少ないが、驚くべきは専任の人事スタッフがいないことだ。経営戦略本部 本部長 兼 海外本部 本部長の深見隆一氏が財務・人事・総務チーム リーダーとして、また、経営戦略本部 財務・人事・総務チームの栁澤利政氏がお客さま相談室と兼務しながら人事全般を担当。実質、2人で人事業務を動かしている。だが、深見氏は兼任だからこそ生まれるメリットがあると言う。「ニーズの拾いやすさ、反映しやすさは兼任だからこその利点。人事以外の業務の中で感じた考え方や視点を人事施策に反映できます。人事という枠や組織の論理にとらわれることなく、本当にやらなければいけないことが見えてきます」
部門横断型プロジェクトで社員を育て組織を活性化
深見氏と栁澤氏が今、最も力を入れている教育プログラムが「プロジェクト」である。いわゆる座学による研修ではなく、実際の業務の中で起こっている課題や新規事業、事業計画の作成などをテーマにプロジェクトを立ち上げる。そして、さまざまな部門から人材を集め、経営幹部がメンター役となってメンバーたちが自分たちの力で考え、行動するための支援を行う。