Column 1 Evernoteが引き起こす 企業と個人のオープン化
インターネットの発展により、考えられないほどの情報を個人が手にしている。その情報社会においてITツールを使いこなす重要性が増しているが、どうしていいのかわからない人も多い。そこで、本記事ではツールを提供する企業―― “外部脳”と呼ばれる『Evernote』の開発・提供を行う――Evernote社にどのような未来を実現したいのかを聞き、ITツールの本質を紹介する。
昨今、GoogleやSNSの登場により、個人の情報ネットワークは格段に広がった。Evernoteは溢れる情報を収集、整理し、蓄積するツールで国内のユーザー数はすでに600万人を超えている。
これら情報ツールの普及は、組織のあり方、人材の質をどのように変えていくのだろうか。
エバーノート日本担当 ジェネラルマネジャーの井上健氏は、Evernoteのめざすところを次のように説明する。
「人を記憶という労役から解放し、代わりに生産性を高めることに集中させるのが、Evernote。スマートフォンの誕生で、情報のポータブル化はますます進んでいます。それと共に仕事とプライベートの境界線も曖昧になってきました。個人向けアプリとして開発されたEvernoteではありますが、実際には、ユーザーの7割近くは仕事でEvernoteを利用しているようです」
読んだ本、気になったニュース、思いついたアイデアなど、あらゆる情報をラッピング化し、「ネタ帳」にできるのがEvernoteの魅力だ。そこからインスピレーションを得ようとするユーザーは多い、と同氏は言う。ヘビーユーザーの中にはお笑い芸人もいるのだとか。
「情報との出会いは、いわば1人ブレーンストーミングのようなものでしょう」