めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第8回 「発想力」が成否を分ける時代
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
「発想力」を高める―― 今、ビジネスシーンにおいて、かなり注目されているテーマの1つである。「発想力」を意識していない方は、ほとんどいないのではないだろうか。
「○○シンキング」というタイトルの書籍が書店を賑わすのも、「発想力」が注目されている証拠といえよう。
本連載においては、さまざまなビジネスシーンで求められる能力・考え方と関連するビジネス書籍を紹介しているが、その全ての基本が「発想力」である点に疑う余地はない。
いろいろな考え方があろうが、発想力を身につけるには、「常に発想を広げて考える」ことを意識し、それをクセにすることが最も重要と考える。「広げて、拡げて」発想をすることで事業の成功を収めている企業は、私が知っている限りでも相当数に上る。
一方、そうした認識とは裏腹に発想力を身につけることに苦手意識があるビジネスパーソンは多い。
本連載2013年7月号「異業種に学ぶ、他業界を知る」でも触れているが、発想力を磨く手法の1つとして、まずは自分の所属している業界ではない他の業界のことを何気なくでも構わないので、Watchしていくことをお薦めする。
これは断言できるが、これからのビジネスパーソンは「さまざまな業界で起きている変化から学び取る能力」、そして「それをもとに自社の発展につながるアイデアを創出する能力」が必須になる。まさに「発想力」である。
読書においても、ぜひこのことを意識していただきたい。
日本を代表するビジネス雑誌を読む際には、「なぜ今、この特集が掲載されているのだろうか」「なぜこの企業のトップインタビューが掲載されているのか、何をそこから読み取るか」という視点が必要である。
書店の店頭では、自分があまり関心のない業界の棚も時には眺めてみるといい。発想やアイデアはこうした取り組みから突然ひらめいたりもする。個人的にも、こうした取り組みは自身の発想力の鍛錬に相当役立っている実感がある。
また、グローバルの視点で発想力を鍛えるためには『ジェトロセンサー』(日本貿易振興機構)、『クーリエ・ジャポン』(講談社)、『選択』(選択出版)などの雑誌を読むことをお薦めしておく。