今月のN E W S
中小ものづくり企業の新製品・新技術開発に関する調査結果開発成功のポイント、課題ともに「人材」
●東京商工会議所
東京商工会議所(以下、東商)のものづくり推進委員会は、中小ものづくり企業の新たな取り組みに関する調査を実施した。この調査の狙いは、中小ものづくり企業が抱える課題や成功の要因を探り、今後の事業活動やそれを支援する政策活動に役立てること。調査は東商会員企業の、製造業を営む中小・小規模企業5,937社を対象に実施され、そのうち1,050 社から回答を得た(回答率17.7%)。
それによると、新製品・新技術開発の取り組み状況について、現在55.9%の企業が取り組み、今後60.8%の企業が取り組む意向がある。規模が大きくなるほど取り組み状況は高く、101 人~300人規模では86.4%が現在取り組んでいる。一方、5人以下では、現在取り組んでいる企業は24.3%にとどまり、今後についても46.7% が取り組む意向はないとしている。
新製品・新技術開発を成功させるために重要なことについては、「アイデア・発想」が69.9%、「従業員の意欲」が64.9%、「経営者の意思」が57.6%と回答しており、アイデアやマインドといった「人」にかかわる要素が重要なポイントだとしている。
今後の海外展開への意向については、55.2%の企業が「意向はない」とする一方で、「積極的に推進する」14.3%、「状況に応じて検討する」30.0%を合わせて44.3%の企業が海外展開を視野に入れている。
また、イノベーションへの取り組みについての認識を問う設問では、「非常に重要である」28.7%、「重要である」44.3%を合わせると73.0%が重視していることがわかった。特に「新製品・新技術の開発」73.9%、「新しい市場の開拓」70.3%への意欲が高い。