人事の職場拝見! 第39回 クライアントの課題=自社の課題 体系的教育プログラムで促す現場改善力
ベネッセコーポレーションのインハウスコールセンターの独立分社化で設立されたTMJ。アウトソーサーとしてコールセンターやバックオフィス業務等のBPO事業を展開する同社には、クライアントに付加価値の高いソリューションを提供するための同業他社にはない育成の仕組みがある。
多様性の尊重とTMJとしての軸の両立
業界・業種を越えた全国200社あまりのクライアントを抱えるTMJ。キーワードは「多様性」と話すのは、人事総務部 部長の山根恭子氏である。「多様なクライアントに対応するため、社員は豊富な経験を持つ中途採用が中心です。多様性を理解したうえで、なすべきことを自分で考える人材を求めています」しかし、多様性を重視しながらも、サービス品質を担保し、高める必要がある。労働集約型事業の中で、さまざまなキャリアを持った社員にいかに共通の軸を持たせるかがカギだ。そのために、人事担当のみが企画・運営するのではなく、研修内容を社内横断で検討・企画し、つくり上げる「プロジェクト型」研修を一部に導入している。例えば、「行動基準」浸透のための研修は、各部門から部長職を集めたプロジェクトを立ち上げ、解決のためにどのような研修が必要かを議論する。それを人事が形にし、プロジェクトのメンバーが講師となって全社に落としていく仕組みだ。「みんなで知恵を出し合い、オペレーションも自前で行うため時間がかかりますが、その分、社員の理解度と納得度が高く、PDCAもうまく回ります。さらに、仕組み自体が効果的なOJTにもなっています」