ID designer Yoshikoが行く 第82回 ガーナ灼熱セミナー完結編 ものがたりから心を動かせ
講師と参加者が互いに相手の出方を探り合っていた「警戒期」をAKB48のダンスでクリアし、アクティブなファシリテーション研修でグッと親近感を増した「協調期」を経て、いよいよガーナの公務員研修も最終章に。最後に取り上げるテーマは「ストーリーテリング」、つまり「ものがたりの手法」である。なぜ、ここで「ものがたり」なのか?
最終章は周囲を動かすものがたりの手法!
前々回でご紹介したように、この研修に集まった人材育成担当者たちは優秀なエリートたち。『ガーナを西アフリカ随一の人材王国に』という目標を掲げる研修センターで、最新の理論やケーススタディを学べば、すぐにも職場の改善ができるような期待で胸が膨らむ。しかし現実は厳しい。職場に戻れば孤軍奮闘で、先進的な人材開発や業務の質向上の必要性を縷るる々述べたところで、「すぐ、やってみよう」と後押ししてくれる上司は稀だし、「一緒にやるよ」と声をかけてくれる仲間も少ない。今まで通りのマイペースな仕事の仕方や責任分担・役割分担を変えるのは面倒だし、「どうせ給料は一緒でしょ!」という抵抗勢力が強いのは、いずこも同じである。こんな状況を打破し、「組織を変えるなら今でしょ!」というシナジーをつくり出すには、担当者が一人旗を振るのではなく、周囲から自然と声が挙がる仕掛けが必要だ。それを実現するのが、ストーリーテリングの手法なのである。