人事の職場拝見! 第37回 一貫したキャリア教育で自立性を養う 組織の成果と成長につなげる人財育成
「人」に基盤を置いた経営のもと、“求める人物像・目指すべき人財”を明らかにしたツムラ。「社員を大切にし、その成長を支えることが組織の成長につながる」を念頭に、社員自らが自立・自律的な働き方を考えながら、将来を描くことを支援するキャリア教育に力を入れている。
一人ひとりの成長で会社は成長する
ツムラでは2013年、「志・情熱」「使命感」を持ち、「プロフェッショナル」「自立」「利他」の精神で行動できる社員を“求める人物像・目指すべき人財”として掲げた。同社ではそれまでも、「一人ひとりが成長することにより、会社は成長する」という考えのもと、「人」に基盤を置いた経営を重視してきたが、より具体的に発信するために明文化した。そうした中で、社員一人ひとりが自ら考え、組織のメンバーとして行動し、成果を創出できるよう支援を行っているのが、人材育成センターである。センター長の熊倉宗一氏は、「各研修において人財育成の方針を説明し、研修の意義と目的を伝えることで、社員の自発的な学びを促しています」と話す。
働く目的意識を育む30、40 歳のキャリア教育
「人」の成長を重視するツムラは階層別教育に加え、キャリア教育にも力を入れている。その中で、人材育成センターは研修の内製化を進め、キャリアセミナーでも社内講師を積極的に活用。ワークショップを多く取り入れた独自のプログラムを推進している。キャリアセミナーは30、40、50歳の社員を対象に実施。18年前から続いている必須受講の50歳に加え、30歳は8年前から、40歳も2013年から必須に変えた。「40歳は一番仕事が忙しい時期。必須でなければ参加したくても時間が取れないという背景がありました。また、50歳で受講した社員から、40歳の時に受けておけばよかったという感想が多かったことも理由の1つです」