調査レポート 「eラーニング活用に関する調査報告書(2014年1月)」から eラーニング導入企業急増の背景とその有効活用方法を探る
昨今、eラーニングを新たに導入する企業が急増している。eラーニングは、「いつでも、どこでも、何度でも」学習できる教育ツールとして、これまでにも注目されていたものの、ここまで加速度的に導入が進むものとは予想されていなかった。急増の理由は何なのか?日本能率協会マネジメントセンターでは、その理由を明らかにし、導入実態を明確に把握すると共に、eラーニングの有効な活用方法を考察するため、全国的な実態調査を実施した。
ここ3年で進むeラーニングの導入
本調査は全国の主要法人を対象に、弊社担当営業が直接訪問し、教育担当者にヒアリングする形でアンケートを実施(2013年9~11月)し、有効回答のあった706社について集計・分析したものである。eラーニングは「集合教育」「通信教育」に次ぐ、第3の教育手段として、普及が進むものと予想されていたが、今回の調査では、62.3%の企業が実施しており、中でも従業員3,000人以上の企業だけで見ると、実に約8割の企業が実施していることが明らかになった(図1)。eラーニング導入年数(図2)では、「1年以内」が18.4%、「2~3年」が31.6%で、3年以内で導入した企業がちょうど5割となっており、eラーニングの導入が急速に進んできたことがわかる。一方、eラーニング非実施企業(37.1%)のうち、「今期、実施可能性あり」と「来期以降、実施可能性あり」と回答した企業を合わせると39.7%で、特に非製造業(金融・保険を除く)では46.1%と高く、今後もeラーニング導入企業はますます増加していく傾向にあると考えられる。
導入理由の第1位は「大勢に同時に」
eラーニング導入理由(図3)として最も多かったのは、「多数の社員の同時教育が可能である」(61.6%)で、以下、「手軽に学べる」「学習時間が短く、隙間時間での学習が可能」「コストパフォーマンスに優れている」「基本・基礎教育に適している」と続いている。また、本調査では、導入にあたって特に重視した理由も聞いており、そこでは「遠隔地(海外含む)でも同一の教育が可能」が、「多数の社員の同時教育が可能である」「学習時間が短く、隙間時間での学習が可能」に次いで、第3位に入ってきている。導入理由に関する以上の結果は、「いつでも、どこでも、何度でも」学習できるというeラーニングの特長をそのまま反映したものと言える。