ID designer Yoshikoが行く 第79回 人や社会を変える力!「菜園力」育成のススメ
TPPだ、食材偽装表示だ、と食に関するマズいニュースに暮れた2013年。こうなったら、自分で野菜を育てるしかない?と思ってはみたけれど、ベランダでゴーヤを育てた、いや正確にいえば、ゴーヤが勝手に伸びるのを眺めていただけの人間にお米や野菜が育てられるわけないじゃん!と、あきらめモードだったのが今までの私。しかし、その「できるわけないじゃん!」から、「もしかしたら、できるかも?」に、さらに「やってみたら、楽しいだろうな!」と夢を膨らませてくれた人がいる。『現役サラリーマンの自給自足大作戦』の著者はたあきひろさん、46歳。大手ハウスメーカーの社員で、樹木医で、自給農民。たった1つのネギプランターから始めて10年、今や家族5人が自給自足できる400坪の菜園を耕すサラリーマンだ。サラリーマンと農業。つい腰をさすりさすり通勤する姿を想像してしまうが、「仕事とは別の世界でやる気を発揮できると、仕事もプライベートも、ホント充実するんですよ」と、はたさんは余裕綽々である。「それにね、菜園生活をすると、物事の本質が見えてくるんです。ボクでも哲学者にもなれるんですよ」とも。そんなはたさんの菜園生活から生まれた、土の温もりと草の匂いに満ちあふれた哲学を紹介しよう。