特集1 部門管理者から部門経営者へ 部長を育成するということ
「部長」と聞いて、あなたはどんな人を想像するだろうか。昨今、日本企業の職場から、「うちの部長はまるで課長のようなことをしている」という声が聞かれるようになった。部長が、「長期的視点での取り組み」ができていなかったり、「広い視野や高い視点から課題を設定していく力が不足」※していたりと、本来的な役割を果たせていないのだ。しかし、組織と人が成長していくためには、まず第一に部長が「部門管理者」ではなく「部門経営者」としての役割をしっかりと果たさなくてはならない。研修等々でその役割を再認識してもらう必要があるが、課長への教育に比べ、部長昇格以降に教育や支援を行う企業は少ない傾向にある※。では、日本の部長たちが果たすべき本来的な役割とはどんなもので、その役割を果たすには、どのような能力やスキルが必要なのか。本特集では、先進事例やオピニオンの知見から、今、強化すべき部長への能力開発施策や支援策を明らかにする。
※共にリクルートマネジメントソリューションズ「昇進・昇格実態調査2009」より。部長任用後に役割・能力開発研修を実施している企業は56.4%、課長任用後は83.3%(調査対象:従業員1000名以上の160社)。