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research平成25年度「能力開発基本調査」の結果を公表人材育成の問題点は「指導する人材の不足」●厚生労働省 職業能力開発局
厚生労働省は、このほど、平成25年度「能力開発基本調査」の結果を取りまとめ公表した。「能力開発基本調査」は、国内の企業・事業所と労働者の能力開発の実態を、正社員・正社員以外別に明らかにすることを目的としており、平成13年度から毎年実施しているもの。それによると、正社員1人当たりに対するOFF-JTの費用(企業調査)について、「今後3年間」の見込みと「過去3年間」の実績を比較すると、24年度に引き続き、今後3年間は「増加傾向」とする企業の割合が高くなっている(30.4%、「過去3年間」と比べて8.9ポイント増加)。正社員以外も同様の傾向となった。正社員に対する教育訓練の実施方法の方針については、「外部委託・アウトソーシング」を重視する、またはそれに近いとする企業は36.2%(前回38.3%)であり、「社内」を重視するまたはそれに近いとする企業は62.7%(前回59.8%)であった。近年、顕著になってきている社員教育の内製化傾向が、ここでも裏づけられた形だ。一方、OJTについては、正社員に対して、平成24年度に計画的なOJTを実施した事業所は59.4%(前回59.1%)。前回と比較してほぼ横ばいとなっている。人材育成の課題(事業所調査)では、人材育成に関して何らかの「問題がある」と回答した事業所は70.7%(24年度68.7%)であり、前回に比べて増加している。さらに問題点として最も多い回答は「指導する人材が不足している」(51.5%)であり、以下、「人材育成を行う時間がない」(46.0%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(40.6%)、「鍛えがいのある人材が集まらない」(28.3%)、「育成を行うための金銭的余裕がない」(20.7%)と続く。