ワンワード論語 第22回 「政」
さまざまな心や考えを持った人々が集まれば必要になるのが、「政」、つまりマネジメントです。今月は、マネジメントのポイントについて学びましょう。
2500年前の中国で、孔子のもとに若者たちが学びに集まってきた目的は、現代風に言えば、官公庁への就職に必要とされる人間力と技術力のスキルアップのためでした。また孔子自身も国政に携わろうと、各国に仕官を求めてさまよいました。ですから、『論語』には「政」、マネジメントに関する章句が多く収録されています。今月の論語1もその1つ。この教えは、某国の権力者から「政」、マネジメントについて問われた時の孔子の回答です。
●マネジメントの原理原則
「正」というワードは、悪いものを正しに行く、懲らしめに向かうことを表現したもの。例えれば桃太郎の鬼退治です。この思いを、“力をもって”実行するということで、その意を持つ「攵」と組み合わさり、「政」のワードが生まれました。マネジメントの根幹は、リーダーがめざすスタイルを、自らが正しく実践し、それを社員に実践させることにあります。そのために最も効果が高い方法は、言葉を弄することでも、罰則規定で社員を調整・矯正することでもありません。リーダーの言動を用いて社員を感化させていくことです。