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research2014年度 新入社員「会社や社会に対する意識調査」結果居心地のよさ求め、安定重視の傾向続く●日本能率協会
日本能率協会は、例年、新入社員を対象に「会社や社会に対し、どのような意識や価値観を持っているか」の調査を実施。今回は2014年度入社の新入社員を対象に意識調査を実施した(回答数1039人)。前回調査に引き続き、上司・先輩にも調査を行い(回答数151人)、新入社員との意識のギャップを聞いている。それによると、独立・転職志向を問う質問で、調査を開始した1999年以来、初めて「定年まで勤めたい」(50.7%)が過半数を超えた。2004年(24.0%)と比較すると、倍増している。一方で、働き方や会社・職場の好みを二者択一で聞いた質問では、「競争をするよりも、ある年代まではみんなで平等に上がっていく年功主義の会社」(42.9%)に比べ、「実力のある個人が評価され、早い昇進や高い給与が実現できる徹底した実力・成果主義の会社」(55.1%)を好む人が多い。定年まで勤めたいが、結果に対する評価はきちんとしてほしいと希望していることがうかがえる。新入社員が考える理想の上司・先輩は、1位「仕事について丁寧な指導をする」(57.7%)、2位「言動が一致している」(37.6%)、3位「場合によっては叱ってくれる」(31.2%)。一方、上司・先輩が考える新入社員にとって理想だと思う上司は、1位「言動が一致している」(43.0%)、2位「仕事の結果に対するねぎらい・ほめ言葉を忘れない」(41.1%)、3位「部下の意見・要望を傾聴する」(38.4%)と続き、「仕事について丁寧な指導をする」は4位(35.8%)にとどまり、新入社員の理想とギャップが見られる。また、グローバル化を「日本企業にとってビジネスの好機」と受け止めている新入社員は75.3%、「自分も当事者である」が78.2%と、身近に意識している。しかし、海外赴任については「海外赴任はしたくない」人が57.7%と過半数を超え、前回2013年の50.9%から6.8ポイント増え、2年連続で増加した。また、働くにあたってできればやりたくないことを聞いた質問でも、1位「休日出勤」(43.7%)に続いて、2位に「海外への転勤」(42.8%)が挙がった。自分たちがグローバル化の当事者であることは理解しているが、海外赴任は避けたいと考えていることがうかがえる。子どもが生まれても仕事を続けたいかという問いには、「ぜひ続けたい」(72.3%)、「続けられる環境がそろえば続けたい」(22.3%)を合わせると94.6%、女性の回答に限っても89.8%と回答しており、過去最高となった。「10年後の日本社会は、よりよい社会になっていると思うか」の問いに対し、57.1%が「なっていると思う」と回答し、「なっていないと思う」の回答(38.1%)を上回っている。新入社員は上司・先輩(「なっていると思う」54.3%、「なっていないと思う」43.7%)に比べ、「よくなる」と考える割合が高い。その理由を自由記述方式で回答を求めたところ、2020年の東京五輪の効果を挙げている記述が多かった。