人事の職場拝見! 第42回 個々のリーダーシップ力を高めるコミュニケーションを通じた共有と共感
“柔軟性とコミュニケーション能力があり、何事にも前向きにチャレンジする人材”を求めるフォッシル ジャパン。その人材育成には、個人のステップアップと同時に職場のコミュニケーションを生み出し、さらに組織を活性化させる、三位一体の仕組みがある。
教育メニューをアレンジ
フォッシル ジャパンでは、アメリカの本社と経営や人材育成に関する目標を共有しながら、高い能力を持ったスタッフの育成に取り組んでいる。教育プログラムについても本社から毎年、基本的なトレーニングメニューが与えられるが、より強化を求める部分や不足する部分については日本独自の内容をプラスしているという。人事部HRマネジャーの井上貴世子氏は、「本社の教育は、自分の課題に自分から気づくようなノウハウや、自分の適性や性格を知り、持っているスキルをどう活かすか、といった内容が多いのが特徴です。しかし、日本人は答えが出るトレーニングを求める傾向があります。そうしたことも踏まえ、グローバル全体でのトレーニングと日本独自のものとをうまくミックスし、カスタマイズしています」と話す。商品知識や接客スキルのメニューについても同様だ。日本の“接客”はレベルが高く難しいため、独自のメニューを追加している。「こうしたアレンジはトレーナー個人の判断で決めず、現場のリテール担当者と相談しながら、一人ひとりの成長に役立つ新たなプログラムを開発し、実践しています」
意識改革プロジェクト
現在、フォッシル ジャパンが本社と共に人材育成の中核として掲げているのが、“リーダーシップの強化”である。これは部署や部下をマネジメントするためのリーダーシップではなく、チームが目標を達成するために、メンバー一人ひとりが当事者意識を持って自発的に活動できる、いわば意識改革を意味するという。