おわりに 事業にこだわり、世界での適材適所を実現する
「グローバルタレントマネジメント(以下TM)」と聞いて、あなたは具体的に何をすることなのか、すぐにイメージできただろうか。今回の特集では、そうしたグローバルTMの全体像や定義を再確認し、具体的な方法や課題の乗り越え方などを、オピニオンと先進事例の知見から解き明かしていくことを狙った。定義や基礎情報は、ASTD(ATD)インターナショナルネットワークジャパンで、タレントマネジメント委員会委員長を務めるOPINION1石山恒貴氏の記事(法政大学大学院教授、28ページ)に詳しいが、ここで再び氏の言葉を引用すれば、戦略的タレントマネジメントとは「競争優位に直結する“キーポジション”に特化した人材を選定、育成すること」である。また、OPINION3アクセンチュアの作佐部・植野両氏(36ページ)によれば、グローバルTMの最たる目的は「グローバルでの適材適所」、「『成果』起点で事業目標を達成するためのリソースを確保する」ということだ。この成果とは、将来の候補者も含めて「グローバルでの適材適所」がなされ、配置された人材が活躍することで事業の占有シェアが広まったり、製品が売れたりして業績が上がる、儲かるということであろう。