ワンワード論語 最終回 「驕」
成功したり、自信がついてくると同時に芽吹いてくるのが、「驕」の心。
これはあなたの実績を台なしにするほどの強烈なマイナスパワーを有しています。
「光陰、箭の如し」、現代に置き換えれば、“時の速さはミサイルのよう”でしょうか(なんとも味気ありませんが)。ワンワード論語、今回が最終回となりました。2年にわたりご愛読いただき誠にありがとうございました。さて、最終回のワードは、師匠であった故・大田観川から20年近く私が戒められてきた「驕」です。珍しいワードではありませんが、どうしてへんに馬がいるのか不思議に思えます。それは、馬に乗った人が下の人を見下している様子を表現したワードだからです。時代劇で馬上のお役人が地面にひれ伏す民衆に対峙しているシーンをイメージしてください。何とも偉そうですよね。このワード、『論語』にはわずか6章句のみの登場です。それをあえて取り上げたのは、このワードが、今、自分は成功していると感じている人、または成功しつつある、調子に乗ってきたと感じている人を奈落の底に突き落としていく、恐怖のワードだからです。