CASE.2 日立金属(タイ) 日本人赴任者の人選に現地人スタッフの意向を反映させる
現地化を徹底する――。日立金属のグローバルマネジメントの流儀だ。現地スタッフをマネジャーとして任用し、日本人駐在員は彼らのコーディネーターの役割に徹する。こうした仕組みを回すカギが「お互いの信頼関係をいかに築けるか」だと説く同社タイ法人社長の人材育成術とは。
●人材マネジメントの基本徹底した現地化
「本当は、社長の執務室は建屋の奥の小さい部屋でいいと言ったのだけど、社員たちが入口の大きな部屋でないと困ると言うもので・・・・・・」日立金属タイの中西壮一社長は、照れくさそうに笑みを浮かべながら筆者を出迎えた。タイに着任して13年。大手日系企業の現地法人の社長でこれほど在任期間が長いことは稀だろう。それだけ現地からの信任が厚く、拠点長として余人をもって代えることができない人物であることの証しである。