人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第22回 『フラガール』
この原稿を書いている5月下旬、映画館では『アナと雪の女王』が大ヒットを続けている。この映画は、20代から40代の女性の心をわしづかみにした。キーワードは主題歌「Let It Go」に出てくる、「ありのままの自分」である。 多くの女性たちがCDを買い、映画を観ながら「ありのままの姿見せるのよ~」と歌っている。今の時代、ありのままの自分でいるのが一番難しいからだ。何しろカラーコンタクトが必須の時代である。生まれ持った本来の目さえ、人前でさらせない。素の自分をさらすのが、とても難しいのである。女性の活用が叫ばれているが、女性たちは戸惑っている。「いい家庭を持ちキャリアを積み上げ、くびれとマイナス5歳肌を誇り、いつも輝いている」というマスコミが持ち上げる女性像に、みんな疲れているのである。その時代の女性たちが抱える、もやもやした気持ちをすくい上げて大ヒットした映画は、今までにも何本かあった。その1つが、前回取り上げた『タイタニック』であり、今回取り上げる『フラガール』である。