社労士に聞く“職場あるある” 管理職のもやもや解決 第10回 「あぶに刺されて労災社員」
円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。
今月のお悩みあぶに刺されて労災社員
部署のメンバーで地域のお祭りに出店を出した。出店で売り子をした社員が後日、あぶに刺されて、治りが悪く医療費がかかっているので、労災の申請をしたいと言ってきた。どうも労災の申請というのはあまりよくないことのように聞くし、そもそもあぶに刺されたのは本人の不注意が問題のようにも思う。どう対応すればいいのだろうか……。
労災申請というと、何となくネガティブなイメージがあるかもしれません。本来、労災は労働者災害補償保険法に基づく保険制度であり、業務災害で労働者がけがをしたり病気になった場合などに、企業が負担すべき補償を保険が肩代わりするというものです。本来であれば利用するべきですが、労災隠しなどの例もありますし、労災保険を使うということに何となくネガティブな感覚を持つ方も多いと思います。