めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第10回 「経営者」の名言からヒントを得る
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
読者の皆様は「名経営者」と聞いた時に、誰のことをまず最初に思い浮かべるであろうか。松下幸之助氏、本田宗一郎氏、土光敏夫氏、最近では孫正義氏、柳井正氏、原田泳幸氏、海外に目を向ければサム・ウォルトン、スティーブ・ジョブズ、ジャック・ウェルチ、トーマス・ワトソン・ジュニア……。経営者、マネジメントクラス、中堅社員、若い社員ではそれぞれの名経営者像はきっとさまざまだと拝察する。日本を代表する経営者、グローバル企業の経営者、新興国で躍進する経営者、世界には多くの優れた経営者が存在し、それぞれ特徴はあれど、その経営哲学から学ぶことは多い(本誌の読者の皆様には「釈迦に説法」話かもしれないが)。今でも読み継がれる松下幸之助氏をはじめとする名著・名言集はもちろん必須文献としてお読みいただくとして、経営者の名言からヒントを得るための考え方をいくつかご紹介していこう。1.逆境を克服した経営者本から学ぶ業績ダウン、新規事業や人材マネジメントの失敗等、幾多の苦難を経て、いかにビジネスを軌道に乗せたか、そうしたストーリーからは特に学ぶべき点が多い。本連載では何度も触れていることだが、特に異業種の経営者の文献からヒントを得るようにするとよい。2.しっかり業績を上げている経営者の経営哲学本は入手しておく有名経営者はもちろんだが、地道な経営で成果を上げている経営者の本もよく見ておきたい。隠れた名著は数多いが、書籍も日々相当数刊行されるので(ビジネス書だけでも年間5,000点以上!!出版指標年報〈出版科学研究所〉データ)、やはり週に一度は書店店頭を観察して、その場で手に入れてほしい。3.若い起業家から知恵を得る事業の成長には若者の発想が欠かせない。そして若い起業家がどのようなビジネスを立ち上げ、成功をめざしているのか、その背景と哲学は。幸いにして海外はもとより、日本国内にも若き優秀な起業家が存在し、そうした方の起業本は随分増えてきた。実はベテランビジネスパーソンこそ読んでおくべきである。