連載 勝ち続けるための企業遺伝子「コーポレートゲノム」 [第2回] 組織風土を類型化する 4つのタイプと「いきいき」風土に変わるためのヒント
組織風土が企業変革を左右する主要な因子であることを、前回(10 月号)は解説した。では、組織風土にはどのようなタイプがあるのだろうかよ前回、「いきいき」「金太郎アメ」「仲良しクラブ」「大企業病」という4つのタイプに判定できる簡易診断を付けたが、今回は、この4 つがどのような特徴を持つものなのかという解説にウエートを置く。とりわけ、戦略活性度と組織活性度がともに高い状態である「いきいき」が、実際にどのような状態を指すのかについて、さまざまな角度から検証を試みた。
1. はじめに
連載第1回(10 月号)でも言及したように、当社では組織風土を類型化するために、2つの軸を用いて4タイプに分類している。その軸とは、「戦略活性度」と「組織活性度」である。
「戦略活性度」……外部環境変化に機敏かつ柔軟に対応することにより、成果・業績に結びつける風土を表す軸
「組織活性度」……慟く社員にとっての組織の風通しの良さ、働きやすい風土を表す軸。いわゆる一般的な社員の職場満足度
2つの軸は、1990 年より当社で研究を進めてきた企業風土に関する研究成果を基に、上場企業120 社、約5万人に対する同一のアンケート調査を統計的な解析をして設定したものである。平均値を縦軸・横軸の交わる点(偏差値表記50 ) として4象限に分けた。図表1は4つに類型化された組織風土のタイプである。
2. 組織風±4タイプ それぞれの特徴
では、以下に、4つに類型化できる組織風土の各タイプに関する特徴を述べていきたい。
(1)いきいき
いきいきに位置づけられる企業・組織は、一般的な上場企業と比較して縱軸の戦略活性度、横軸の組織活性度ともに高い活性度を持つ企業・組織である。つまり、組織として外部環境の変化にうまく対応できる行動様式を備えており、結果として業績、成果向上にもつながりやすい。そこで働く人にとっても風通しの良い職場であり、いきいきと慟いている職場である。その特徴については後ほど詳細に紹介する。