連載 知的な毎日が人生を変える 第12 回 最終回 知的な空間を創造する
私の書斎には、平机、パソコン用デスク、書棚がある。6畳ほどの空間であり、いちばん落ち着ける場所だ。書庫は別にある。 3,000冊ほどの本が、天井まで積み重ねられている。32 年間のサラリーマン生活に別れを告げてからは、書斎はオフィス兼用となった。書庫は応接室兼用に変身している。
サラリーマン時代はこの空間で、読書や執筆をしていた。独立してからも、やっていることは変わらない。今回は「知的な空間を創造する」ための簡単なヒントを紹介してみたい。
1. 平机の上に簡易書棚を作る
本や資料が散乱し、探しものがなかなか見つからない。あなたの机の上はどうだろうか。調べものをする度に、幾層にも重ねられた本を移動する。消しゴムが見つからない。肝心の資料が、どこにあるかわからない。
ある日、ひらめいた。引き出しが5個ほどついた、A4 書類ケースを2個と天板を1枚買ってきた。書類ケースを机の両端に置き、その上に天板を乗せる。これで2段の書棚の完成である。書類ケースには、文房具や書きかけの原稿を入れる。本は上下2段に並べる。
探しものは激減した。それでも本や資料が収まり切らず、後日もう一段を重ねることになる。本の重さで、簡易書棚には安定感がある。ただし、中央部分がたわんでくる。仕方なく、真ん中に書類ケースを追加することにした。
この簡易書棚は便利である。座ったまま、手を伸ばせば取れる位置に資料がある。本の背表紙を見ていると、新しいアイデアも沸いてくる。書きかけの原稿を書類ケースに入れ、必要な時に瞬時に取り出すことができる。やがて平机の上の簡易書棚は、天井に届くまでになる。震度3の地震には耐えているので、構造上も安定しているのだろう。