連載 誌上コンサルティング 第39回 ビジネスリーダー育成研修の効果は どのように捉えたらよいのか
Q.
6年前から次世代経営を担うビジネスリーグ一養成のための研修を行っています。最近、新たに外部から就任した経営トップに研修の概要を説明したところ、「いろいろ尽力しているようですが、経営者は育つだのですか」と質問され、返答に窮してしまいました。
研修は、経営を担うことを嘱望されて選抜された40 代の部長職者を対象に、月に1回、1泊2日の集合研修の形で1 年近く実施するというものです。売り上げ1,000 億円単位の事業ができる経営者の育成を目指して、「当事者意識の高揚」や「戦略構築力の養成」、「自己変革」を行うとともに、経営の枠組み(財務、組織人事、マーケティングなど)やビジネススキル(ロジカルシンキングなど)を外部コンサルタントおよび自社幹部が指導してきました。外部の対して多額の支払いも発生しています。
このような研修の効果をどのように捉えたらよいのでしょうか。
(電機・人材開発担当)
A.
研修の効果をどのように捉えたらよいかというご質問だが、まず前提として、以下が明確になっているのかを確認しないとならない。それは、
1. この研修の狙いとしているところは何か
2. 40 代の研修対象者はどんなレベルの人で、今後どんなキャリアを歩ませたいのか
である。これらを明らかにしていないと、外部からのトップの問いかけに答えることはできないし、研修の「効果」を捉えることはできない。この2 点が明確になって初めて、研修の効果は議論できる。