ケース1 特定非営利活動法人LPI-Japan 価値観を共有したコミュニティーは、 コラボレーティブな関係を可能にする
コンピューターOSのリナックスは、ソースコードをオープンにすることで世界中のエンジニアがボランティアとして開発に関与、発展していった。ここではダイバーシティーの象徴としてリナックスに注目。リナックス技術者認定試験の開発・普及に尽力するLPI-Japan の理事長・成井弦氏に、その取り組みとリナックス型組織のマネジメント方法について話を伺った。リナックスが持つ多様性の神髄に触れていきたい。
リナックスにかかわる関係者すべてが、コミュニティーの「仲間」
コンピューターOS 、UNTX の一種である「Linux (リナックス)」は1991 年、フィンランド・ヘルシンキ大学の学生だったりーヌス・トーバルズによって作製され、あまねくインターネット上に公開された。それが、瞬く間に全世界へと広まっていったのは周知の通り。ソースコードをオープンにしたことで、世界中のエンジニアが物理的な制約を乗り越えて開発に参画することができ、発展を遂げていったのである。そして現在では、ウィンドウズに匹敵するOS にまでなっている。
これらを支えてきたのは、多くの無償のボランティアたち。このような「リナックスコミュニティー」も、ダイバーシティーを体現しているものだといえよう。
さらにいま、リナックス専門家の技術レベルについて、全世界共通の基準で、かつ高い信頼性により評価の得られる認定制度の必要性が迫られている。 LPI (リナックス・プロフェッショナル・インスティテュート)は、こうしたニーズを満たす目的から、数多くのリナックスコミュニティーのなかからボランティアとして生まれたものだ。
LPI では個人、団体問わず、リナックス技術者認定試験の開発、普及のために多様な人材がボランティアとして集まっている。そして、2000 年7月に特定非営利活動法人LPI-Japan が誕生した。これもまた、多様な人材が生み出す組織シナジーが発揮されているケースである。
「一般企業ユーザーがリナックスを活用するためには、その専門技術者の養成、認定というものが必要です。実は、われわれの組織を応援してくれているのは、ただ単にボランティアだけではありません。リナックス認定試験の普及にさまざまな形で携わる関係者すべてが、コミュニティーの仲間であると認識しています」と、広い意味でのボランティアシップを語るのがLPIJapan理事長の成井弦氏。成井氏によると、同組織を構成するボランティアとは、以下のようになる。
①スポンサー企業
LPI の理念に共感し、理事としてリナックス認定試験の推進責任者の任を担う大手コンピューター会社
②LPI 認定受験者
1ヵ月で1,000 人以上に及ぶリナックス認定試験を受ける社会人・学生

