Part 2 ケース 伊勢丹労働組合 個人の自立と価値の向上を 労組で支援、バックアップ

雇用形態の多様化や成果主義の導入など、画一的・一律的な働き方から多様化・個別的な働き方が浸透するなかで、組合員個人にスポットを当てた新たな活動を模索する労働組合が増えている。サービス・流通連合傘下の伊勢丹労働組合もそうした労働組合の1つであり、個人の自立支援と価値の向上に努めることで新たな労働組合像を確立しようとしている。
個々人の価値向上が労働組合の新たな役割

日本でいち早く週休2日制を導入するなど、「働き方」に関して斬新な施策を次々に導入してきた伊勢丹。昭和40 年には「能力開発宣言」、昨年4月には「エンプロイアビリティー向上」に向けた宣言を労使共同で行うなど、個人の働き方、能力開発に向けて労使が活発に制度改革議論を重ねてきた歴史を持つ。
現在、社会構造が変化するなかで、雇用形態はますます多様化し、企業と個人の関係も自立した関係性が求められているが、伊勢丹労働組合では労組としての新たなビジョンづくりを模索。 1999年10 月には「I.L.U.Visions for People First」を策定し、メンバー(組合員)1人ひとりの価値を高めていくことを目的としたさまざまなプログラムにチャレンジすることになった。
「当労組では1989 年に『Live Better Vision 』を策定。以降、10 年にわたってさまざまな事業展開を行ってきたわけですが、その間、社会構造は大きく変化し、また、個々人の価値観も多様化・個別化してきました。『LL.U.Visions for People First 』は、そうしたグローバルな環境変化や価値観の変化・多様化、企業の雇用政策の改革等に対応するために策定した未来ビジョンで、労働組合はだれのために、何をするのかを改めて整理したものだといえます」(本部書記次長・坂巻明史氏)
「I.L.U.Visions for People First 」は、労働組合の役割を「働く人々の代表として、メンバーのために企業の永続的な発展と労働条件の維持・向上を目指すこと」としたうえで、図表1の7つの活動プランを提示。個々人の自立をキーワードに新たなメンバーシップサービス、労働組合としての可能性を切り開こうとしている。なかでも、「ヒューマン・バリュー・アップ宣言」は、「I.L.U.Visions for People First」の方向性をより明確に示したもの。宣言文である「伊勢丹労働組合は、メンバー個々人の価値観を尊重し、メンバーが主体的に自己実現を図るために総合的な支援、バックアップを行います」のなかに、労組としての強いメッセージを読み取ることができる。