連載 新しさは足下にあり 第6回 戦略の原点『孫子』
戦わすして勝つことが最上の勝ち方
現代は戦略の時代といわれています。
転換期のいま、なるほど戦略的思考なくしては、業績は上からないでしょう。
戦略とくれば、何といっても「孫子」につきます。
そこで戦略の秘訣を孫子に求めてみましょう。
冒頭、孫子は次のように言います。
「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざる可からず」
戦争は国家にとって最も重大なこと、国民の生死と国家の存亡をかけて行うことであることを、よくよく承知するべきで、だから慎重のうえにも慎重に考え検討しなければならない。
まず孫子は、戦争など簡単に行うべきことではない。行わないで済むのであれば行わない方が良い、というのです。
孫子といえば好戦の書だと思っている大が多いのですが、実は全く違います。
いかに戦わないかを説いているのです。いや「戦わずして勝つこと」を説いているのです。
「戦はずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」