連載 新しきは足下にあり 第10 回 芭蕉に学ぶ創造論

「不易流行」とは何か

企業にとって生命はといえば、それは商品に尽きます。どれほど販売力や管理能力が優れていようと、やはり良い商品がなければ、これらの能力を発揮することすらできません。
では、良い商品とは何から生まれるのでしょう。それはその企業が保有すべき伝統的な創造論により生み出されます。
では、その創造論とは、どのようなものであるべきなのでしょうか。
そこで登場するのが、松尾芭蕉です。
芭蕉がその生涯で生み出しか俳句の数は膨大なものになりますが、そのほとんどが名作と謳われているものばかりです。しかもそれらは、現代においても通用し、多くの人々を楽しませてさえいるのです。
つまりヒットセラー、ロングセラー商品の生みの親といっても良いのです。
なぜ芭蕉はこれはどの偉業を行うことができたのか。そこには独特の創造論があったからです。これこそいま、商品開発者が最も学ぶべき点ではないでしょうか。
まず、芭蕉の創造論は、「不易流行」といって有名です。
不易流行とは何か。