連載 ユニオンルネサンス 第8 回 Part 1 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合) 中央執行委員長 古賀伸明氏に聞く 産別労組の新たな役割として、組合員のキャリア形成を支援
最先端産業の産別労組として常に時代対応が求められる電機連合。現在、雇用の多様化・流動化へ対応すべく「電機産業職業アカデミー」に取り組んでいる。今回は2年目をスタートするに当たって、これまでの成果・課題を中央執行委員長の古賀伸明氏に語っていただいた。
個々人のキャリア形成に視点を置いた新たな運動
昨年10 月に「電機産業職業アカデミー」を立ち上げたそうですが、まずその目的と背景をお聞かせ下さい。
古賀
グローバル経済の進展や産業構造の変化などにより、私たちを取り巻く環境は大きな変革を迎えています。そのなかで私たちは、「働く」ことそのものを、深く考えていく必要があります。これまでの賃金、労働時間、福祉といった労働条件の改善だけではなく、これからは働くための環境整備と併せて、働くことそのものの本質に、どう労働組合がかかわっていくのかということが問われています。
働く私たち白身が、社会や企業から何かを与えられて生きるのではなく、自らの手で自分らしい生涯をつくり出していくことに労働組合がどうサポートしていくのか。すなわち、組合員個々人のキャリアデザインやライフデザインにどうかかわっていくのかが、これからの労働組合の大きな役割になってくると考えます。こうした背景を踏まえて、電機連合では2003 年10 月に、組合員のキャリアデザインづくりを支援する「電機産業職業アカデミー」をスタートさせたのです。