連載 人材と組織の強みを活かすAl 第10 回 ヒーロー・インタビュー
AI そのものを導入している日本企業は、まだ数少ないが、コーチングやマネジメント系の管理職研修のなかに、AI 的な要素を取り入れたプログラムを実践することは可能だ。今回は、日本企業の参加者に、AI のスピリットをわかりやすく伝える試みとして「ヒーロー・インタビュー」というエクササイズを紹介する。
ヒーロー・インタビューの進め方
Appreciative 工nquiry (AI) の「4Dサイクル」の一つ目「Discover 」のプロトコールの中心に「ハイポインド・インタビュー」がある。筆者(本間)が日本企業のなかでAI 的なエクササイズを実践しようとしたが、「ハイ・ポイント」という名称がわかりにくかったので、ある時「ヒーロー・インタビュー」という名前を用いたところ、参加者が状況を映像化しやすく、非常にうまくいった。以来、定番メニューとして定着している。
インストラクションは、下記の通り。
①先攻と後攻を決める。先攻がインタビュアー、後攻がヒーロー。
②ヒーローは「その組織のなかで頑張つた、活き活きしていた、充実感があった、やりがいを感じた、成功体験」などを、映像を思い浮かべながら、細かく具体的に話す。
③ インタビュアーの方は、スポーツのヒーロー・インタビューさながらに、具体的に細かく聞き出していく。例えば「それはいつのことですか?場所はどちらで?
それは何人ぐらいのグループで?
どんな人がいたんですか?
そのプロジェクトがうまくいった理由は?