WAVE 日本能率協会 自らの「軸」を研ぎ澄まし、 内省と対話を通じて グローバルリーダーの育成を目指す
不確実性と多様性を増していく21 世紀にあって、新たな価値創造を求められるビジネスリーダー。自己への厳しい観照によるアイデンティティーの確立を核として、真の人間力を鍛えるプログラム「グローバル・ビジネスリーダー(GBL)コース」の様子を紹介する。
これからの時代に求められる普遍的かつ新しい「人間的魅力」とは?
21世紀のビジネスリーダーに求められる資質とは何か。それは「名刺の肩書き」から離れ、文字通り「自分」という一個人が持つ、思想、見識、感性などのアイデンティティーによって、多様な人々と深いコミュニケーションをとる力、平たくいえば「相手を魅了する人間性」という普遍的な人間力である。
こうした古典的ともいえる力を、ビジネスリーダー育成についていま、改めて問うにはそれだけの理由がある。
グローバル化がますます進展していく21 世紀にあって、日本企業は決して真の意味でのグローバル化を果たしてこなかったと、本コースの主任講師を務めるグローバルインパクト代表パートナーの船川淳志氏は断言する。
「戦略・組織構造のグローバル化を進めた80 年代後半、グローバルなシステムとスタンダードを追求した90年代初頭、そして『ヒト』のグローバル化を支援する人材育成手法、組織運営手法、スキルやバリューの共有化など、ソフトのグローバル化を進めてきた90 年代以降と、欧米企業は新たな価値を創造し、競争優位を生み出す重要な戦略課題としてグローバル化に取り組んできました。ところが日本企業はこの20 世紀後期の流れに完全に乗り遅れてしまったのです」
その結果、不確実性(Uncertainty)、多様性(Diversity)、スピード(Speed)への対応が求められるグローバル経営において、日本企業では必要な人材が育っていないという事態が発生していると船川氏は指摘する。
「コアスキルを把握していないために、周辺知識の詰め込みに走り、スキルギャップが解消されない。さらにコアスキルの把握は難しくなる……という悪循環に日本企業は陥っているのです」