ビジネス英語の能力を高める 投資効果の高い学習方法は何か
「英語をモノにするには10 年はかかる」と言われるが、それでも日常会話レベルに到達するのが精一杯。では、ビジネスの場で役に立つ英語能力を養うには、学習方法にどのような工夫を施せばよいのだろうか。何かと忙しく、やるべきことが山のようにあるビジネスパーソンにとって投資効果の高い英語学習方法を考えてみたい。
日本人は遅くても、中学生になれば英語の学習を開始するが、学習者は現状の英語学習に対して、次のような不満を抱えている。
①暗記中心で負担感が強い
②成果が表れるまで時間がかかる（投資効果が悪い）
③せいぜい日常会話レベルに到達するのが精一杯（ビジネスで役に立たない）
上記の３点は、学習者の不満のなかでも圧倒的に強い。そこで、まずはこれらの不満の中身を明らかにしていきたい。
学習者の不満改善なしには、英語の能力は向上しない
日本の英語教育はNHKの英会話に象徴されるように、単語や文法のほかに表現の意味や発音も暗記の対象になる。しかし、どのくらい暗記すればよいのかということは教えてもらわないので、暗記することがどんどん増えていく。そのため、英語の学習に負担感を感じることとなる。これが①の不満である。
次に②の不満は、暗記主体の学習では、10年間学習しないと英語が使いこなせるようにはならない、と言われることに起因している。10年間学習して成果が表れるとなれば、効率が極めて悪いと言わざるを得ない。
ビジネスの世界では、優秀な人ほど英語を学習しないものだ。それは、優秀な人ほど投資効果というものを考えているためで、成果が現れるまで10年かかるのであれば、投資効果から判断して英語の学習には手を出さない。英会話スクールに通ったり自宅で学習する時間があれば、その時間を使って商談の１つでもまとめたほうが、ビジネスの世界では勝者になる。
それに、暗記中心の学習方法を続けても、日常会話レベルに到達するのが精一杯なのだ。日常会話で英語を使いこなすことができても、ビジネスでは役に立たない。これが③の不満につながっているのである。
いまや、日本にいながら海外と活発に取引を行ったり、日本企業のなかにも外国人社員がいるという状態は、珍しいことではない。それは同時に、異文化コミュニケーションの重要性が増していることを示唆している。そのなかで果たす英語の役割については、いまさら説明するまでもないだろう。