連載 人事徒然草 第11 回 人事担当者に必要な ユーモアのセンス
本誌2月号掲載の“タブーに挑戦”について読者からのメールがあった。
「当社も職種別採用、中途採用を増やしており、仕事へのロイヤリティーを持った人材は増えています。一方、コア人材には組織へのロイヤリティーも求めたいと考えているのですが、難しいところです。職種別採用といえば、人事の場合優秀ではあるが、何かこじんまりした人材ばかり集まってきます。“人の世話をするのが好き”“人と話すのが好き”“社会保険労務士の勉強をしている”というのが典型的なパターンです。今後の人事に求められるコンピテンシーはどのようなものだと考えますか?」
職種別採用を言い出しておきながら、それが人事担当にまで及んでいることに驚いている。人事はゼネラリストの典型で職種採用には向かないと思っていたからだ。人事部門に特有の専門知識というものが果たしてあるのだろうか?
多くの日本企業の人事部門に労働法規対応・制度構築を担当し、労使交渉の窓口にもなる勤労とか労政と呼ばれるグループがある。多少の専門性を必要とする場面もあるが、一本道で社内のスペシャリストとして育成するほどのものではなく、常識さえあればだれにでも務まるように思う。
となれば、人事担当はその会社のカルチュア・組織風土を熟知している人のほうが望ましいことになる。変革の時代、人事もその一翼を担う以上、会社の何を変えるべきか、何を変えてはいけないか、的確に見極めていかなければならない。この役割を社外から入ってきた人にいきなり期待することは、たとえそれがどんなに優秀な人であっても無理だろう。
変えるにしても組織の現状を把握したうえでなければならないという当たり前のことで、多くの企業で“改革”をコンサルタントに丸投げして失敗しているのと似たことになりかねない。読者からのメールにある“コア人材には組織へのロイヤリティーを求めたい”と、表現は異なるが同様のニュアンスになるのかもしれない。
私は、職種別採用はより緊急性の高い他部門の要員確保に限り、人事部員の補充は社内の人材を公募なりローテーションによって集めるほうがよい、と考えている。といっていま、人事の仕事は不人気で社内公募だけでは集まらないかもしれない。

