連載 Report from MPOD, Case Western Reserve University 「強み」に注目した、最先端の「組織開発」の現場より 第2 回 自伝執筆と体験学習で 自己を再発見する

2004 年11月からケースウエスタンリザーブ大学・ウェザーヘッド経営大学院で「MS in Positive Organizational Development and Change(MPOD)」がスタートした。全米における組織開発(OD)の分野ではトップ3に入る大学で、昨年連載した「Appreciative Inquiry」(AI)の創始者クーパーライダー教授のお膝元である。連載の第2回目となる今回は、最初の滞在学習の模様を報告する。
2004 年11 月、いよいよ「MPOD」開講

2004 年11 月14 日(日)1:30pm。学生証の交付を待たずして、早速、7日間の集中講義がスタートした。入学式という格式ばったものは一切ない。主任のロン・フライ教授に促されて、いきなり自己紹介タイムが始まる。「短く」とアナウンスがあったにもかかわらず、話し好きなアメリカ人は止まらない。休憩を挟んで38名、それぞれのモティベーションとクラスへの意気込み、そして興味関心を互いに発表した。人事戦略部門からナース・ヘルスケアの分野まで、「人」に興味関心がある仲間が集い、和気藹々とした雰囲気がつくられていった。クラスの半分がオハイオ近郊在住者だが、半数は海外・遠隔地からの長距離通学者であった。
なかでもインドネシアから約20時間かけて通学してきた女性コンサルタントの自己紹介が関心をひいた。自国インドネシアの政治的壊滅状態を語りながら、自分がこのプログラムMPODでの学びを持ち帰り、少しずつでもインドネシアをポジティブな国家へと導きたいと語る彼女の高い志、そして控えめで幼い表情が印象的だった。