Women\'s Leadership Conference in U.S.A アメリカ、女性リーダーシップ・カンファレンス報告: 【米ファイザー社事例】 営業部門における女性の基幹人材育成の ための施策

2005 年3 月15 ~ 16 日、アメリカ、ニューヨークでカンファレンス・ボード主催「女性リーダーシップ・カンファレンス」が開催された。参加者は人事・教育担当者や、ダイバーシティ促進担当者、女性ネットワークコミュニティー主催者、コンサルタント、トレーナーなど約150 名。組織における女性社員の地位向上、動機づけ、能力開発、管理職・取締役・企業幹部への配置、業績に与える影響をテーマに討議が行われた。
女性を取り巻くアメリカの環境
年々、企業における女性登用の取り組みは活発になっているが、最近は女性差別への対応というより、女性登用によるメリットを意識した動きが目に留まる。
例えば、男女にかかわらず、より優秀な候補者プールのなかから企業の将来を担う基幹人材を選抜したいとする人材マネジメントの視点。米世帯のうち85 %の購買決定権は女性にあるという調査結果から、女性のニーズを把握し、商品開発やサービス提供に役立て、組織の成長に結びつけようとするマーケティング、営業戦略の視点。ワーク&ライフ・バランスを望む男性が増え、女性にとって働きやすい環境は、男性社員にも必要となり、優秀な社員の採用、引き留めの重要施策となること、などがあげられる。
組織を幅広く見渡し、適切な人材を起用することが競争力向上の鍵と認識されるようになったのである。
しかし、まだまだ女性が突き当たるガラスの天井は存在する。90年代以降、女性の管理職、専門職の割合は高まるものの、企業幹部・取締役レベルでの存在感は薄い。
「フォーチュン500」(米大手企業)の女性CEOは現在9名(2%弱、05年3月末時)、女性取締役のいる企業数はここ数年増加しているが、取締役職に占める女性の割合は13.6 %(03 年女性のキャリア支援団体、カタリスト調査)にとどまる。
これは負担や責任が重く、転勤・出張を伴いがちな上級管理職への昇進を避ける女性が少なくないことも理由の一つといえる。女性側がガラスの天井をつくり上げている傾向も否定できないのである。
カンファレンスの潮流
今回、参加者の興味を引いたテーマとして下記四つがあげられる。
(1)企業幹部への昇進意欲の向上
現状に満足している女性の昇進意欲をどのように高めていくのか。
「男性と女性の人数のバランスをとるために、選抜する女性の数を無理に増やす」という考え方ではない。動機づけし、上位ポストの候補者プールに優秀な女性の志願者を増加させる方が、組織全体の能力レベルの向上につながると認識されるようになっている。
後述の米ファイザー社の事例のように、昇進を避けがちの女性の能力開発、動機づけ、メンタリング、福利厚生、ロールモデル増などが望まれている。
(2)企業と教育機関の連動
女性の進出は目覚しいものの、科学や数学、エンジニアリング、MBAを専攻する女性はアメリカでもまだ少ない。
企業はできる限り早い時期からの意識改革やキャリア開発支援が必要と考え、大学やビジネススクール、高校と共同プロジェクトを実施。専門分野で活躍する女性社員をメンターにしたオンライン・メンタリングや、奨学金、インターンシップ、企業情報の提供を行うネットワーク、コンソーシアムづくりが活発となっている。
企業と教育機関を結ぶパイプラインを太くし、女性の少ない分野での女性の比率を高め、開かれた、能力の高い人材の集まる組織を目指している。