連載 研修ファシリテーター入門誌上講座 第6 回 いまどきの新人研修

全員4 月入社という慣習が崩れ、通年採用が珍しくなくなった時代、新人研修のあり方も変わってきている。研修を受ける新人に伝えるべきこと、講師はどんな基準で選ぶべきか、また講師に選ばれたときにあらかじめ学んでおきたいことにポイントを絞って解説していく。
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ある大手IT 系企業の人事担当者によると、その会社には毎月50 ~ 60 人の社員が入社するので、毎月、新人研修を行っているのだそうです。新卒の定期採用、4月同時入社という慣習が崩れ、通年採用が珍しくなくなった時代、新人研修のあり方も変わっていかなければならないのでしょう。
私が、新人研修の企画担当者や講師に必ず申し上げることがあります。それは次のメッセージを新人に伝えてほしいということです。
「会社では、皆さんの上司や先輩が、皆さんを叱ったり、厳しく指導することがあるかもしれません。しかし、それは『いじめ』ではなく、皆さんの成長のために行うことなのです」
こんな当たり前のことを、わざわざ言わなければいけないのだろうか、といぶかる向きもあるかもしれません。
しかし、いまの時代、親にも先生にも、叱られたことのない若者が確実に増加しています。ところが、会社のなかでは、ちょっとしたことで、上司や先輩に、注意、叱責、あるいは罵倒されることがあります。
「叱られた体験」のない人にとっては、「叱る」という認識の枠組みがないので、「自分はいじめられた」と感じてしまうのです。すると、就職氷河期が終わったいま、ぷいっと辞めてしまう。会社としては、せっかくかけた募集・採用・研修コストが、無に帰してしまうわけです。