連載 研修ファシリテーター入門誌上講座 第11 回 ファシリテーションにおける視線

「目力(めぢから)」の強さも、よい講師・ファシリテーターの条件としてあげられる。しかし、目力の強さ、弱さとは何なのか? どうすれば、視線を効果的に使うことができるのか、そのヒントを探る。
目で語り、目で伝える
大昔の企業研修といえば、教壇の上の講師が、ずーっとうつむいたまま、ノートを棒読みするだけの講義形式が少なくありませんでした。競争の厳しい民間企業の研修講師ではそんな講師はとっくに淘汰されていますが、いまでも大学や学校では時々、そういう古風なスタイルの先生を見かけます。
「目は口ほどに物を言い」という諺がありますが、アイコンタクトをとりながら話をするのと、目を合わせることなくモノローグを続けるのとでは、伝わり方に差があるのは当然です。学生が居眠りをするのはけしからん、とおっしゃる先生は、居眠りをさせてしまっている自らのコミュニケーションを猛省する必要があるでしょう。
講師・ファシリテーターにとって視線の効用・機能を整理すると、少なくとも5点挙げられるのではないでしょうか?
第1に「相手の存在を認める効果」があります。誰かに見てもらうと、自分の存在が認知されたという感覚が生まれます。逆に、「見向きもされない」「無視された」という感覚は、ネガティブな感情を湧きあがらせます。「傍若無人」というのは、乱暴なことばかりではありません。「傍らに人、無きがごとし」という姿勢で、つながりを持てない話の仕方は、まさに傍若無人の態度といえるでしょう。