連載 欧州HRD 事情 第3 回 日々、議論を楽しむことを心がける ―“悪魔の弁護士”という役回り―
前回“知の異種融合”という話の中で、優秀なチームメンバーの「多様性確保」という意味合いから“キャスティング”という言葉を用いたが、これには理由がある。この言葉はご承知のように、映画や演劇の世界では「配役決め」のことだが、私のコンサルティング業界でも、ある米系のファームには“キャスティング・オフィサー”という、ちょっと洒落た名前の役職がある。
具体的には、総合的でボーダーレスのプロジェクトを立ち上げるためのサポートチームに、どの支社の誰を投入すべきかというコンサルタントの編成案(専門性と多様性がいつも問われる)をプロジェクト・マネジャーに答申するのが任務で、文字通り“適材適所”の提案が仕事である。
最近懇意になったオランダ人のキャスティング・オフィサーが、参考になる話をしてくれた。面白いのは、場合によってはメンバーの組み合わせ方の原則を変えるという点である。