連載 組織を元気にするメンタルヘルス 第4 回 メンタルヘルスとキャリア開発支援、組織開発の統合 管理監督者に求められる目配り・気配り・心配り
事後対応では遅い
ケアは予防に軸足を置くべき
2006年から実施されている「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」が注目されている。職場のメンタルヘルスの増進に役立つ知識・技術・態度について問う試験で、人事労務担当者向けのマスターコース(Ⅰ種)、管理監督者向けのラインケアコース(Ⅱ種)、一般従業員向けのセルフケアコース(Ⅲ種)の3区分がある。昨年10月に実施された第3回試験の受験者数は、Ⅰ種とⅢ種がそれぞれ1000人を超え、Ⅱ種は2000人を超えた。この試験はラインケアの認識を高める教育ツールとして役立つからと、多くの企業の人事部門が現場の管理監督者に受験を呼びかけたのかもしれない。
3つの試験区分は厚生労働省が出した職場のメンタルヘルス対策のガイドラインに応じたもので、心の健康づくりには①労働者自身のセルフケア、②管理監督者によるラインケア、③産業医や衛生管理者などの事業場内産業保健スタッフ等によるケア、④外部EAP(従業員支援プログラム)などと呼ばれる事業場外資源によるケア、の4つのケアが密接に連携されつつ、継続的かつ計画的に取り組まれることが望まれる。