TOPIC HRD JAPAN 2008 レポート
2008 年2 月5 日から8 日までの4 日間、パシフィコ横浜にてHRD JAPAN 2008(第27 回能力開発総合大会)が開催された。
人事・人材開発関連の人々を集め、毎年開催されるこのイベントも27 回を数え、今年は延べ約6400 名の参加者を集めた。
今年の大会テーマは「人材の活力が組織の未来を創る」。その活気に溢れた会場の様子をレポートしよう。
新しいテーマや注目企業に高い関心
HRD JAPAN 2008事務局の発表によれば、本大会への参加登録者数は2869名、延べ6419 名に上った。昨年の参加登録者数は2503 名、延べにすると6349名。延べ人数には大きな変化はなかったものの、登録者数は前年比15%弱の増加となり、より多くの人が参加した様子がうかがえる。
ほぼ10年にわたって本大会を追ってきた筆者の印象からすると、今年の大会は活気があった、との印象が強い。大会事務局の小峯郁江氏によれば、今大会の1つの特徴として、オープニングセッションを中心に、内容に対する評価が高まったことが、参加者アンケートから見てとれるという。
突出して登録者数が多かったテーマは、花王が4セッションにわたって事業の成長に連動した人材マネジメントの絶えざる革新について発表した「特別企業研究」や、「ミドルの育成」「コア人材育成の取り組み」「働きがいのある組織風土づくりと人事施策」だった。参加者アンケートより、セッション選択の理由のおよそ8 割が「セッションテーマ」であることからみると、これはミドルマネジメントの弱体化、グローバルも含めた事業の現場で活躍できるコア人材の育成、人材に対する内発的動機づけ、といった現在の人事・人材育成課題を大きく反映している、と小峯氏はいう。
HRD JAPANとしては、今回初めて価値観やコミュニケーションを、セッションテーマとして前面に打ち出した。加えて当該セッションだけではなく、他テーマのセッションにおいても、人事・人材育成施策の根底に発表企業の価値観やウェイが強く意識されていることが見てとれた。グローバル競争の中で、それぞれが「我が社らしさ」を意識し、それらを明文化しつつある流れが顕著である。また、コミュニケーションは、社員のメンタルヘルスの低下、若年層のリテンションなどあらゆる課題にかかわるテーマだが、社内SNS や社内イベントなどの仕組みを構築したり、設定した場をいかに活性化するか、といった内容が好評を博した。