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「企業における中堅社員の現状に関する調査」結果発表
中堅社員に組織内での人間関係構築を望む傾向に
●産業能率大学総合研究所
産業能率大学総合研究所では2009年2月10日、中堅社員育成をテーマとするフォーラムに参加した企業の人事・教育担当者など80人(有効回答者数69人)を対象に書面アンケート(回答肢選択式)を実施。企業における中堅社員育成の現状や、役割の遂行状況などに関する調査を行った。なお、この調査では中堅社員とは入社5~10年、20代後半から30代前半の社員とした。
中堅社員育成の教育的施策の現状としては「階層別の役割認識研修」が50.7%で最も多く、「自己啓発支援」(47.8%)がこれに続いた。また育成の仕組みとしては「OJT制度」が55.1%でトップ。これに続く「メンター制度」は23.2%、「プロジェクトリーダー制度」は7.2 %と、OJTを社員育成の中心として仕組みを整えていることが明らかになった。だが、これ以上の踏み込んだ取り組みはあまり行われていないこともわかった。
中堅社員に求める役割では、「後輩の指導」が7割強。だが、実際に「後輩の育成を遂行している」は2.9%で、「やや遂行している」と合わせても3割にとどまっており、期待と現実とのギャップが浮き彫りになった。これに付随する形で、中堅社員育成について今後強化したい取り組みとしては、階層別の役割認識研修が多数を占め、続くキャリア開発研修も含めて、中堅社員の役割意識を強化する教育ニーズが高いことが示唆された。
その他、中堅社員に求められる役割としては、自業務の改善、シナリオ構築、職場の活性化、メンター的振る舞い、的確な状況対応と幅広い。特に前述の「後輩の指導」(72.5%)、「メンター的振る舞い」(49.3%)など周囲の人への働きかけにかかわる要求が大きいのが特徴。組織のフラット化や採用抑制の影響によるいびつな人員構成で組織環境が変化している中で、中堅社員に組織内での人間関係の構築を期待していることをうかがわせた。
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