連載 人事担当者のための正しいメンタル不全対策 第 6 回 会社と社員の両者が安心できる 自宅療養時のポイント
自宅療養に入るその時が本人にも会社側にとっても重要
今回は、残念ながら不調者が出てしまい、自宅療養を開始することになった時の、職場の上司や人事労務担当者がとるべき対応を紹介します。「いつ仕事に復帰してもらえるのか」という心配から、上司がつい週に何度も電話をしてしまう。人事労務担当者が、「会社から電話をすると症状が悪化してしまうのではないか」という思いから、必要な情報すら伝えられない──こうした間違った対応をしてしまいがちなのが、この自宅療養の時です。
不調者の病状が悪い時なので、病状の回復のためには仕事や日常の雑事から離れて、じっくり休養してもらうことが重要です。しかし、ただ本人をゆっくり休ませることが正しい対応かというと、厳密には違います。自宅療養に入る人の多くが、療養中の経済的不安や身分保障のこと、本当に職場復帰できるのかといったことで、さまざまな不安を抱えています。
そこで、自宅療養する社員が安心して休み、また会社側としても安心できるよう、以下のことを本人と確認し、伝えておくことが望まれます。
本人と確認しておくこと
●自宅療養中の連絡先
まずは、自宅療養中の連絡先を確認しておくことが重要です。特に1 人暮らしの場合には、病状や通院状況を知るために、また時には安否の確認をする手立てとして、本人の自宅や携帯の電話番号、近しい親族(できれば近くに住んでいる親族)の連絡先を聞いておきましょう。